はじめに
2021 年の振り返りとして、今年リリースされたアルバムのうちよく聴いたもの、特にすばらしいと思ったものをまとめました。
また、最後に番外編として、個人的に今年ハマったアーティストについても触れました(今年のリリース作品とは関係ありません)。
アルバムタイトル一覧
- Sometimes I Might Be Introvert / Little Simz
- Lucid Express / Lucid Express
- Ignorance / The Weather Station
- Sensational / Erika de Casier
- New Decade / Phew
- Ground Control / Rudimental
- Queens of the Summer Hotel / Aimee Mann
- SG8* / Duckwrth
- Happier Than Ever / Billie Eilish
- Chemtrails over the Country Club / Lana Del Rey
- Blue Weekend / Wolf Alice
- KICK ii / Arca
- Afrique Victime / MDOU MOCTAR
- 古風 II / 冥丁
- Drama / Rodrigo Amarante
- Sling / Clairo
- Raio / DOMENICO LANCELLOTTI
- Sour / Olivia Rodrigo
- MONTERO / Lil Nas X
- Leftovers / Le Ren
- Mother / Cleo Sol
- Vince Staples / Vince Staples
- Division / Jenevieve
- A PORTRAIT OF FYODOR ON FIRE / Lord Byron
- Daddy's Home / St. Vincent
- Bobby Trantino III / Logic
- Untourable Album / Men I Trust
- CALL ME IF YOU GET LOST / Tyler, The Creator
- Quarantine Sessions / Tom Misch
- Obsidian / Jónsi
- 30 / Adele
- Voyage / ABBA
- Talk Memory / BADBADNOTGOOD
- The Quiet Drift / Hollie Kenniff
- I Don't Live Here Anymore / The War On Drugs
- still slipping vol. 1 / Joy Orbison
- New Long Leg / Dry Cleaning
- Luminol / Midwife
- Friends That Break Your Heart / James Blake
- Peace Or Love / Kings Of Convenience
- Infinite Granite / Deafheaven
- Valentine / Snail Mail
- Seek Shelter / Iceage
- Never The Right Time / Andy Stott
- King's Disease II / Nas
- Take The Sadness Out Of Saturday Night / Bleachers
- Donda / Ye (Kanye West)
- SCALED AND ICY / Twenty One Pilots
- Home Video / Lucy Dacus
- Certified Lover Boy / Drake
詳細
Sometimes I Might Be Introvert / Little Simz
間違いなく今年いちばん聴いた一枚。アルバム全体を通して、荘厳なオーケストラと低く芯のある声で歌われるラップという魅力は一貫していながら、曲ごとにがらっと表情が変わる。 たとえるなら山から海、草原、空、都市と映像が切り替わるかのよう。飽きがこないどころか感情を最高潮に保ったまま最後まで聴き続けられる。Lucid Express / Lucid Express
香港のシューゲイザー・ドリームポップバンドのデビューアルバム。やっぱり自分はシューゲやドリームポップというジャンルにめっぽう弱いということを思い出さされた。 ツインギターが織りなすノイズとクリーンな音のハーモニーが気持ちいい。Ignorance / The Weather Station
カナダのフォークロックの 4th。ジャンル分けとしてはフォークながら、ジャズのアレンジを始めとした多彩なサウンド、リズムで聴き手を飽きさせない。Sensational / Erika de Casier
デンマークのコペンハーゲン出身 の Erika de Casier の 2nd。全体を通して落ち着いた仕上がりだが、どこかノスタルジックな R&B のサウンドを基調としながらダンサブルな曲やポップさが前面に出た曲もあり耳馴染みのよい一作。New Decade / Phew
1979 年デビューの日本の女性アーティスト Phew のニューアルバム。今まで Phew は、国内ニューウェーブを代表するアーティストとして戸川純と並べて語られるような文脈で名前だけは知っていたが聴いたことはなかった。 今年新譜(本作)が出たということで聴いてみたら、本当にびっくりした。明確なメロディがないどころか曲によっては言葉にすらなっていないようなヴォーカル、電子音、ノイズ、それらが絶妙なバランスで混ざり合って最高の作品になっている。Ground Control / Rudimental
エレクトロニックで踊りたくなる曲が集まったエネルギーの溢れる作品。Queens of the Summer Hotel / Aimee Mann
全体としてメロディアスで聴きやすいが、Aimee Mann の低く力強い歌声がどこか暗さを添え、安っぽくなっていない。SG8* / Duckwrth
おしゃれでかっこいいヒップホップ/R&B で最高。街で流れていたら間違いなく Shazam する。Happier Than Ever / Billie Eilish
中学生から精神年齢が進化していない私は、基本的に日本の音楽トレンドには逆張りしてしまう。その意味で、国内でも人気を博したビリーアイリッシュはまあかっこいいなとは思いながら若干半信半疑というか自分のなかで評価を保留にしていた部分がある。だが今作を聴いてさすがに降参した。ポップに寄りすぎず、暗さを帯びた(曲によっては)ささやくようなヴォーカル、強いメッセージ……素直にかっこいい。Chemtrails over the Country Club / Lana Del Rey
Blue Weekend / Wolf Alice
KICK ii / Arca
Afrique Victime / MDOU MOCTAR
古風 II / 冥丁
Drama / Rodrigo Amarante
Sling / Clairo
Raio / DOMENICO LANCELLOTTI
Sour / Olivia Rodrigo
MONTERO / Lil Nas X
Leftovers / Le Ren
Mother / Cleo Sol
Vince Staples / Vince Staples
Division / Jenevieve
A PORTRAIT OF FYODOR ON FIRE / Lord Byron
Daddy's Home / St. Vincent
Bobby Trantino III / Logic
Untourable Album / Men I Trust
CALL ME IF YOU GET LOST / Tyler, The Creator
Quarantine Sessions / Tom Misch
Obsidian / Jónsi
30 / Adele
Voyage / ABBA
Talk Memory / BADBADNOTGOOD
The Quiet Drift / Hollie Kenniff
I Don't Live Here Anymore / The War On Drugs
still slipping vol. 1 / Joy Orbison
New Long Leg / Dry Cleaning
Luminol / Midwife
Friends That Break Your Heart / James Blake
Peace Or Love / Kings Of Convenience
Infinite Granite / Deafheaven
Valentine / Snail Mail
Seek Shelter / Iceage
Never The Right Time / Andy Stott
King's Disease II / Nas
Take The Sadness Out Of Saturday Night / Bleachers
Donda / Ye (Kanye West)
SCALED AND ICY / Twenty One Pilots
Home Video / Lucy Dacus
Certified Lover Boy / Drake
番外編
中森明菜
YouTube で昔の有名な歌謡曲を聴くようなことは暇なときなどにたまに行っており、曲単位で単発に、ああこの曲はいいななどと思って自分の(頭の中の)お気に入りの曲リストに含めるということはあった。 中森明菜に関してもそんな感じで今年の 3 月頃に DESIRE を YouTube で見たのだが、歌唱力や曲自体の素晴らしさはもちろん、彼女の佇まいというか表情や動きのすべてが自分の感性にぴったりとはまり、雷に打たれたような感覚になった。 その後、いろいろと他の曲も聴いていくうちに、彼女が天才であり少なくとも日本における音楽の最高到達地点のひとつであることは間違いないと確信するに至った。 願わくばぜひまた活動を再開してほしい。
好きな曲:『DESIRE』(DESIRE を挙げるのは、B'z で好きな曲は Ultra Soul です!と言ったり Radiohead で Creep が大好き!というような初心者感があるが、DESIRE の頃すなわち 1986 年頃の中森明菜はすべてが素晴らしい)、『LA BOHEME』、『乱火』、『エキゾティカ』、中島みゆきのカバーだが『悪女』など。山口百恵
中森明菜の動画を YouTube で見まくっていたら山口百恵もレコメンドされ、それでどれどれと聴いたらまんまと虜になった。そういうわけで、中森明菜に続いて山口百恵だが自分の中で「昔の歌謡曲」一般のブームが来たというわけでもない。 『プレイバック Part2』に代表されるような力強い女性の顔から、『いい日旅立ち』、『秋桜』、『さよならの向こう側』などのまさに名曲というにふさわしい曲を歌い上げる姿、一方でアルバム『This is My Trial』収録の『Crazy Love』などのジャジーな曲や また、アルバム『メビウスゲーム』収録のテクノ調の『テクノパラダイス』など、世間のイメージ以上に幅のあるアーティストだと思う。 中森明菜にしても山口百恵にしても、当時天下を獲るほどの大衆性がありながら、同時に暗さを持ち合わせているところが最高。
好きな曲:『DANCIN' IN THE RAIN』、『アポカリプス・ラブ』、『テクノパラダイス』、『想い出のストロベリーフィールズ』、『テレパシーナ』、『歌い継がれてゆく歌のように』戸川純(ヤプーズ)
戸川純は昔から知っており好きでもあったが、とはいえそこまでがっつり聴き込んでいたわけでもなく『レーダーマン』『蛹化の女』『諦念プシガンガ』『好き好き大好き』などの有名どころを知っているくらいだった。 中森明菜や山口百恵など国内で 80 年代あたりに人気を博した歌手を聴き込む中で、それなら戸川純もしっかり聴かないとフェアではないと思い(意味不明)今年あらためて聴き込んだ。 その感想として、彼女のことは本当に天才と評するほかない(戸川純は著書のなかで「何年も毎日、学校の屋上で腹筋運動や発声練習、滑舌を行なっていた」と書いており、それを踏まえると天才というのはその努力の過程を無視しているようで失礼かもしれないが便宜的にそう言わせてほしい)。 現役で活動しているので、来年はライブに行きたい。
好きな曲:『ヘリクツBoy』、『遅咲きガール』、『赤い戦車』、『12階の一番奥』、『あたしもうぢき駄目になる』、『肉屋のように』